

好きな香りを嗅いだとき、「なんとなく落ち着く」「気分が切り替わる」と感じた経験はありませんか?
ふと香りを感じたとき、「懐かしい思い出が蘇る」ことはありませんか?
私たちの暮らしの中には、花や植物の香り、香水、精油(エッセンシャルオイル)、お香など、さまざまな「香り」が存在しています。香りは単に空間を良い香りにするだけではなく、嗅覚を通して私たちの感情や気分と深く関わっています。
今回は、香りが心と身体にどのように関係しているのか、香りの種類や精油(エッセンシャルオイル)の特徴、安全に楽しむための注意点についてご紹介します。
香りはなぜ気分や感情に影響するのでしょうか?
香りを感じる「嗅覚」は、私たちの感情や記憶と密接に関係しています。
空気中の香り成分が鼻に入ると嗅覚受容体によって感知され、その情報が脳へと伝えられます。
そのため、ある香りを嗅いだ瞬間に昔の記憶がよみがえったり、好きな香りを嗅いで心地よさを感じたりすることがあります。
「この香りを嗅ぐと落ち着く」
「柑橘系の香りを嗅ぐと気分が明るくなる」
「子供のころを思い出す」
「嫌な事を思い出した」なんてことも。
香りには、好みや過去の経験なども関係しています。
香りの感じ方には個人差があるため、すべての人に同じ変化が現れるわけではありません。でも香りを嗅ぐなら良い気持ちになりたいし、良いことを思い出したいですよね。ならば自分自身が「心地よい」と感じられる香りを選ぶことが大切です。
私たちの身近にある「香り」5種類
「香り」といえば、やはりアロマを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
いい香りは皆さん好きですよね。しかし香りには様々な種類があります。
1.香水
香水は、香料をアルコールなどに溶かして作られるものです。天然香料だけで作られているとは限らず、合成香料を組み合わせることで複雑な香りを表現した製品も数多くあります。香りを身につけることを目的としているため、アロマテラピーで使用される精油とは目的も成分も異なりますが、精油をコットンなどに含ませて持ち歩いている方もいらっしゃいますよね。
2.精油(エッセンシャルオイル)
精油は、植物の花、葉、果皮、根、樹皮、樹脂などから抽出される、香り成分が凝縮された天然素材です。ラベンダー、オレンジ、ベルガモット、ユーカリ、ローズマリーなど、植物によって特徴的な香りがあります。アロマテラピーで中心的に使用されるのが、この精油です。大まかに、ローズ系、ウッド系、柑橘系なんて言い方もしますね。
3.お香・インセンス
植物や香木、香料などを原料として、燃焼させることで香りを楽しむ方法です。日本では古くから香りを楽しむ文化として親しまれてきました。「お香」といえば、お盆にお仏壇やお墓に添えるものと子供のころは思っていましたが、現代では、パッケージもおしゃれで、「富士山の香り」なんていう長さが短いタイプのお香をお土産でいただいたことがありますよ。すがすがしい香りでした。
沈香は白檀(サンダルウッド)やラベンダーが代表的ですが、現在ではさまざまな香料を使用した製品があります。
4.ルームフレグランス
ディフューザーやルームスプレーなど、室内空間に香りを広げることを目的とした製品です。精油を使用したものもあれば、合成香料を使用したもの、天然香料と合成香料を組み合わせたものなど、製品によって成分は異なります。ブティックや、美容室でもディフューザーを使用しているお店は多いですよね。
5.植物・ハーブ・花そのものの香り
ローズ、ラベンダー、ミント、ローズマリー、柑橘類など、植物そのものから感じられる自然な香りもあります。精油は、このような植物が持つ芳香成分を抽出して濃縮したものです。
「精油」と「アロマオイル」は同じものではありません
ここはアロマを選ぶ際に、ぜひ知っておきたいポイントです。
公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)は精油について、植物の花・葉・果皮・果実・心材・根・種子・樹皮・樹脂などから抽出した天然素材で、芳香成分を高濃度に含む揮発性の物質と定義しています。
つまり、本来の精油(エッセンシャルオイル)は植物から抽出された天然のものです。
一方、「アロマオイル」「フレグランスオイル」などの名称で販売されている製品の中には、精油とは異なり、合成香料や他の成分を使用した製品もあります。
そのため、
「アロマオイル=100%天然の精油」ではありません。
AEAJも、アロマテラピーでは100%植物から抽出された精油を使用し、「アロマオイル」などの商品名が付けられたものには精油とは異なる類似品もあるため注意が必要と案内しています。
100%天然だから原液で使える、という意味ではありません
もうひとつ注意したいのが、
「100%天然=そのまま肌につけても安全」ではない
ということです。
精油は植物の芳香成分を非常に高い濃度で含んでいます。
天然由来であっても、原液を直接肌につけると刺激や赤み、皮膚トラブルなどにつながる可能性があります。
公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)では、身体へのトリートメントに精油を使用する場合、植物油などの基材で1%以下を目安に希釈することを推奨しています。
また、ベルガモットやレモン、グレープフルーツなど一部の精油には、使用方法によって紫外線との組み合わせに注意が必要なものもあります。
精油は「天然だから何をしても安全」なのではなく、植物由来の成分が高濃度に凝縮されているからこそ、正しい知識を持って使用することが大切です。
精油を選ぶときに確認したいポイント
ご自身で精油を購入するときは、商品名だけで判断せず、ラベルや商品情報を確認してみましょう。
確認したいのは、植物名・学名、抽出部位、抽出方法、原産地、販売元、内容量などが明確に表示されているかという点です。
また、遮光性のあるガラス容器に入っていることもひとつのポイントです。
精油は光・熱・酸素などの影響を受けて成分が変化するため、購入後の保管方法にも注意が必要です。
東京ティアでは100%天然の精油を使用しています
出張マッサージ東京ティアのアロマトリートメントでは、100%天然の植物から抽出された精油(エッセンシャルオイル)を使用しています。ブランド、メーカーには特にこだわらず、オーナー自ら選んだ精油を使用しています。選択のポイントは、人工的に香りをつけることを目的としたフレグランスオイルではなく、植物本来の自然な香りを大切にしています。そして何よりも「香り」が良いものを選択し、お客様のもとへお届けします。アロマオイルトリートメントでは、精油を原液のまま肌へ使用するのではなく、トリートメントに適した植物性のキャリアオイルと組み合わせて使用します。
施術による心地よさだけではなく、植物が持つ自然な香りも一緒に楽しんでいただけることが、アロマオイルトリートメントならではの魅力です。オイル施術に入る前に、お好きな香りを選んでいただけますので、その日の気分やお好みに合った香りに包まれながら、ゆったりとしたリラクゼーションの時間をお過ごしいただきたいという想いでおります。
※当店のサービスはリラクゼーションを目的としたものであり、疾病の診断・治療・予防等を目的とする医療行為ではありません。
香りについて研究されている身体的・精神的な影響
アロマテラピーと心身の関係については、世界各国でさまざまな研究が行われています。
特に研究対象となっているのが、リラックス、ストレス、不安感、睡眠、気分などとの関係です。
2023年に公表されたランダム化比較試験44件、3,419人を対象としたシステマティックレビュー/ネットワークメタ解析では、精油を用いた介入による不安指標の低下が報告されています。一方で研究間のばらつきも大きく、研究者自身も結果は慎重に解釈する必要があるとしています。
睡眠についても研究されています。米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、2021年の16研究・1,346人を対象としたレビューについて、アロマテラピーが睡眠の質の改善に役立つ可能性が示された一方、より規模が大きく質の高い研究が必要としています。
つまり、香りと心身の関係について興味深い研究結果は存在しますが、香りやアロマテラピーを病気や症状の「治療」と同じように考えることは適切ではありません。
日常生活の中で心地よい時間を過ごしたり、気分転換やリラクゼーションを楽しんだりする方法のひとつとして取り入れるのがおすすめです。
参考資料・エビデンス
公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)「精油とは」
https://www.aromakankyo.or.jp/basics/oil/
公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)「精油の正しい選び方」
https://www.aromakankyo.or.jp/basics/oil/choose/
公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)「安全に楽しむために」
https://www.aromakankyo.or.jp/basics/safety/
National Center for Complementary and Integrative Health(NCCIH)「Aromatherapy」
https://www.nccih.nih.gov/health/aromatherapy
NCCIH「Sleep Disorders and Complementary Health Approaches」
https://www.nccih.nih.gov/health/sleep-disorders-and-complementary-health-approaches
Frontiers in Public Health(2023)
“Essential oils for treating anxiety: a systematic review of randomized controlled trials and network meta-analysis”
https://www.frontiersin.org/journals/public-health/articles/10.3389/fpubh.2023.1144404/full


